人生で様々な場面で考える「いつかやる」という発想があります
誰もが口にしたことがあるこの言葉ですが、多くの人は「いつかやる」を「自動的に機会がやってくる」と変換して考えていると思います
ですから「いつかやる」と言っても、結局はやらないんです
この言葉の意味と僕の克服方法を、僕の経験したエピソードを踏まえてご紹介します
- 「いつかやる」という言葉の種類
- 「僕の生きる道」というドラマの印象的なセリフ
- 「いつかやる」と思っていること
- 「いつかやる」は勇気・やる気が出ない時の言い訳
- 「現状維持」に慣れて言い訳したくなる
- 「いつかやる」という言い訳を引き剥がす方法
- 「いつかやる」を克服した僕のエピソード
- まとめ
「いつかやる」という言葉の種類
「いつかやる」という言葉には2種類あると思います
「出来るけど後回しにする」ことと、「出来るかわからないから後回しにする」ことです
「出来るけど後回しにする=いつかやる」は、洗濯や皿洗いや部屋掃除などのやらなきゃいけないことがあるけれどもついつい後回しにしてしまうことはあります
俗に言う”面倒くさい”を放置する場合ですね
「出来るかわからないから後回しにする」は、実現できそうだけど絶対できるとは思っていないことによく当てはまります
例えば「いつかは海外旅行に行きたい!」という人もいれば「いつかは転職したい・いつかは副業を始めて早期FIREしたい」という人もいるでしょう
今回のお話は「出来るかわからないから後回しにすること」のお話です
「僕の生きる道」というドラマの印象的なセリフ
2003年に公開された草彅剛さん主演のドラマ「僕の生きる道」をご存知でしょうか?
30歳を手前にした高校教師の主人公は突然、ガンによる余命1年を言い渡されます
「生きたくても1年しか生きられない」ことで悩む彼は、様々なことを経験しながら「生きる」ということを考えはじめます
「生きること」と「死ぬこと」をテーマに描いたこの作品では様々な考えさせられるシーンがいくつもあります
その中でも印象に残っているセリフをご紹介します
ある日、受験生として勉強する生徒たちに、彼は一冊の本を見せてこう話します
ここに「1冊の本」があります。
この本の持ち主は、この本を読みたいと思ったので、買いました。
しかし、今度読もう今度読もうと思いつつ、すでに1年が経ちました。
この本の持ち主は、これを読む時間がなかったのでしょうか?
たぶん違います。
読もうとしなかった。
それだけです。
そのことに気づかない限り、5年経っても10年経っても、持ち主がこの本を読むことはないでしょう。
受験まであと1年です。皆さんの中にはあと1年しかないと思っている人もいるかもしれません。
でも、あと1年しかないと思って何もしない人は、5年あっても10年あっても何もしないと思います。
だから、1年しかないなんて言ってないで、やってみましょう。
この1年、やれるだけのことをやってみましょう。
「いつかやる」と思っていること
実は僕には「いつかやってみたい」と思うことがあります
それが「スキューバダイビング」です
22歳になって演劇を始めてからいろいろなことを想像するようになりました
そんな中、水族館で魚を見て興奮しました
それからというもの、いろんな場面できれいな海を見たり、きれいな海中の映像を見ては「美しい」と思うようになりました
それからというもの、10年近くもずっと「いつかスキューバダイビングしたい!」と思い続けています
ある日、知り合いに「いつかやってみたいこと」の話をしたら「あ~、それはやらないね」と言われました
「いつかやるもん!」と言い返したかったのですが、その人は自分に肯定的に物事を捉えている広い視野の人でもあるので言い返しませんでした
というよりは、言い返せなかったのです
それもそのはず、自分が「いつかやる」と言っても未だに何も動いていないわけですから「本当にやりたい」のか疑問にもなります
「いつかやる」は勇気・やる気が出ない時の言い訳
一言で「やる」は簡単に言えます
ですが、実際に「行動をする」のは面倒だし、初めてのことなら勇気を出す必要があります
僕は人見知りです
今でこそ演劇で色んな人との関わり方を少しずつ学んできましたが、昔は人と会っても何を話して良いかもわからないし正直に話すと地雷を踏んで嫌われたりしました
そんな感じで、初めて美容院に予約をするときもすごくドキドキしました
家の裏庭にこっそり行って、不安を拭うべく電話予約のシミュレーションをしては「よし、完璧だ!」と思ってはまた不安に襲われてシミュレーションを行うということを繰り返しました
電話片手に裏庭で、2時間近くいたと思います
そしてやっとこの思いで電話をし、あっけなく予約が済んだ経験です
その後しばらくは予約をするときは裏庭に行って、シミュレーションを行って不安を拭い切ってから電話予約するようになります
その時でさえも1時間もかかっていました
今では簡単にネット予約出来るので、そんなことはしません
が、実は電話予約の時は予めシミュレーションである程度の会話のパターンを想定してから電話するようにしてます
演劇では緊張しないのに、何故か電話だと緊張してしまうのは困りものです
この症状が和らいだ理由の一つが、アルバイトでの電話対応です
大手チェーン店のクレジットカードのご案内カウンターをしていた時、かなり無理難題をふっかけてくる人がいます
例えば「お店の商品を割引しろ!」とか「限度額を上げろ!」といったものです
クレジットカードのご案内をするアルバイトに割引の権限は無いので、そういうものはお店に直接言ってもらうしかありません
限度額も審査があるので、僕が勝手に上げることなんて出来ません
そのようにお伝えすると「お前が生まれる前から使ってやってるのにふざけるな!」とか「昔のその辺りはまだ大きなビルもなくて〜」とか「社長と知り合いだからお前をクビにしてもらう!」とか言われたりしました
僕がぎこちなくチンプンカンプンな電話をしたところで、相手からすれば”かわいいお客さん”でしか無いことがわかります
ではなぜ僕は電話予約に時間がかかるか?と言うと、結局は言い訳を並べて躊躇してるだけなんです
「現状維持」に慣れて言い訳したくなる
言い訳が癖になっている人にとって、これを克服することはとても難しいです
実際、僕も「克服した!」と思っていても、まだ克服しきれていないと実感することは山程あります
でも、自分には出来なくても他の人はいとも簡単に出来ることってありますよね?
例えば僕は、初対面の人にはとっても簡単に話しかけられます
相手が何者かもわからない人に平気で話しかけます
とあるイベントの会場で全く無関係の人と30分以上会話していたこともあります
逆に初対面の人と会話することが苦手な人もいます
その差は何か?
僕は「現状維持」の”現状”の違いだと思います
「初対面の人と話す」の場合でご説明します
僕の人生での出会いの多くは一期一会なのですが、仕事柄コミュニケーションを行わなくては成立しないことがほとんどです
ですから「初対面の人と話す」ということが”よくあること”になっています
”よくあること”ですから、当然イレギュラーに出くわしたこともあれば対処法を考えることだって多くなります
それでも乗り越えたという実績と経験が、言い訳など必要としないことにつながっていると考えています
その反面、よく会う人とはどんな会話をすればいいか分かりません
「お〜、久しぶり〜」からの次の一言が思いつかないので、よっぽど馬の合う人以外とは会話が起こりません
苦手な人にとっては、「初対面の人と話す」ことが必要とされるシチュエーションが少ないと考えられます
僕の人生とは逆で、普段会う人は見慣れた人たちで人柄もある程度わかっているから会話もしやすいということが多いと思います
初対面の人は相手の人柄がわからないので、当たり障りのない会話で深みのある会話を生み出すきっかけがつかみにくいと感じるのかもしれません
この常習化というものは、言い訳を許されない状況にならないとなかなか起こりません
例えばみなさんが当たり前に行っていることは、子供の頃から躾けられたり必要と迫られるから行っていることです
ですが、これが慣れていないことに当てはめると、途端に言い訳が生まれます
「スキューバダイビングしたい」と思っても「ある程度のお金も必要で資格取得の会場も遠方になるし何日か必要になる。全部条件が揃ったタイミングまで待つ」となります
「初対面の人と話す」と言っても「今後会わないかもしれないし自分から話しかけると話題を提供する義務が生まれるし、必要ならば相手から話してくるだろうしきっかけも誰かがくれるかもしれない。それとなくきっかけを待つ」になるんじゃないかと思います
「いつかやる」はそういった気持ちが生み出した言い訳だと僕は思います
「いつかやる」という言い訳を引き剥がす方法
僕の「いつかやる」という言い訳の剥がし方の一つが、「自分は初心者だから」という言い訳を上書きすることです
そもそも言い訳が生まれる理由は、失敗を恐れるからです
失敗しても対処できそうだったり、いくらでも取り返しがつくことは簡単に行うと思います
ですが、シミュレーションで対処出来ないことは、その後の内容は想像できないのに「嫌な気持ちになる」ということは簡単にイメージ出来てしまいます
これを改善する方法の一つが「自分は初めてだから仕方ない」と開き直ることです
誰もが最初は初心者で、自分もその初心者だと割り切ることです
そして失敗をしても「嫌な気持ちになるのは誰もが通る道なんだ」と受け入れることです
「そんなこと言われても簡単には出来ないよ・・・」
これがとてもむずかしいですね
コレを行うためには多くのステップが必要だと感じています
①自分が何も知らない人間だということを頭で考える
②”失敗して失うもの”と”挑戦して得るもの”を考える
③次の挑戦で活かすために”今回は”挑戦する
④10年前に経験していたら今ではベテランになっていたと考える
⑤今行えば10年後にはベテランになっていると考える
⑥「初めての挑戦」で起こったことや湧いた感情を「未来の誰か」に伝える
⑦面白いエピソードや変わったエピソードとしてストックするつもりで挑戦する
僕の場合はこのステップを踏むと、勇気が出ます
内容や順番は重要ではありません
これは、僕が経験を積むからこそ得られる財産であることを強く認識するためのものとなっています
ですから、みなさんに当てはまらない場合もあれば、とっても当てはまる場合もあるかもしれません
みなさんにとってのステップは、皆さん自身にしか分かりません
逆に言えば、皆さんも冷静に考えればすぐに答えは出てくると思っています
「いつかやる」を克服した僕のエピソード
僕はいつも「いつかやる」と未来の自分に託す悪い癖があります
未だに治らないこの癖ですが、すんなりと克服出来る瞬間が多々あります
その一つをご紹介します
アルバイト先の人と「色々と経験したいな〜」という話題で雑談をしていました
色々と挙がったものの中に「海外旅行に行きたい!」というものがありました
漠然と思っていたけれども実態は微塵も分かりません
有名な外国の観光地をアレコレと話していて、ふと「どれくらいの金額で海外に行けるんだろう?」と疑問に思って調べてみました
すると、とあるHPで「タイなら5万円ぐらいで旅行できるよ!」とありました
ここで「今から最短で行く、でなければ一生行かない」と決めました
先程も説明したとおり、僕は「いつかやる」で溢れた人生を送っています
演劇を始めてからは多くの物事を前のめりで行っては場数を踏むことを優先しました
その結果を振り返ると、予想通りに物事が進んで大きな失敗は少なく、それでも起きたとんでもない失敗では最大限の機転を利かせて乗り越えてきました
取り返しのつかないことも色々としましたが、みんなフォローしてくれたり許してくれました
そして気がついたのが「意外と失敗してないな?」ということでした
でもそんなことは無く、確実に失敗しています
なぜその時「失敗していない」と思ったのでしょうか?
それは、起こってしまったときは無我夢中で、その後はそれを失敗と思わずに経験と受け止めていました
この考えを再び奮い起こすためには「いつか」を「今」に変えれば実現すると思ったのです
実際にはしっかりと予定を立てて行くのですが、「いつか」を「今、というより可能な限り早急に」に切り替えたんです
その瞬間に旅行に行く日にちを決めて、マネージャーに直接「この日から4日間は海外に行くので、日本には存在しません」と伝えました
全てを捨ててでも海外に行く人ってどれだけいるでしょうか?
僕はそんな「どれだけ」になれる貴重な体験をしているんです
それから、徹夜だろうがお金が足りなかろうが、とにかく「いつ死ぬかわからない」という気持ちでパスポートの取得から飛行機やホテルの予約など、必要な準備をしました
「いつ死ぬかわからない」という意気込みの割には相当呑気な準備になってしまいましたが、「行くぞ!」と決めてから5ヶ月後には日本国外の大地に降り立ったのです
海外では詐欺やヤバいホテル、意味不明なバスに乗ったりとトラブル続出でしたが、絶対に行ってよかったと思える海外旅行になりました
帰国する前から「またここに来るぞ!」と思えるほど、怖くて楽しかったアドベンチャーでした
それから3ヶ月後、再び同じの大地を踏みしめてます
昔は「いつか海外に行きたい」と思っていたのが、今では「可能な限り早く行きたくてたまらない」というように思っています
「最高の経験を何度もしている」と思いつつも「もっと早く海外に行っていたら、英語や異文化への考えなども変わっていたのかな?」とか「新しい価値観は過去の経験にどう影響していたんだろう?」とか考えたら後悔もあります
こんな感じで僕は「いつかやる」を実現しました
これがみなさんにとってどうヒントになるのか分かりませんが、参考になれば良いなぁとか思います
まとめ
「いつかやる」は便利で明るい未来を感じます
ですが、その「いつか」はあなたが挑戦するから存在する未来なんです
あなたが挑戦しなければ「いつか」は決してやって来ません
ならばどうすれば良いのか?
あなたがその「いつか」を迎えに行くのです
「いつか」は逃げません
あなたさえ歩み寄れば、「いつか」は変化して「今」そして「過去」に変わります
歩み寄り方は様々です
僕のやり方が合う人もいれば、合わない人もいます
その答えを僕は持っていません
ですが、克服することが出来ることは知っています
「成功」も「失敗」も関係ありません
大事なのはその先にある「未来の”あなた”」です
「成功と失敗」の先にいる”あなた”はどんな”あなた”ですか?
その未来に向かって歩み寄る方法は、あなたならきっと簡単に見つけられます
「成りたい”あなた”」と「今の”あなた”」をよく理解しているのは”あなた自身”なんですから
この文章を読んで、みなさんが一個でもやってみる勇気が出たら良いですね
僕が喜ぶより、皆さんの人生が豊かになるのがベストだと思います